2025年12月3~5日 SAMPE Japan 2025 東レ株式会社様ブース

2026.01.30

【チェックリスト付】専門展で失敗しないイベントコンパニオンの選び方|SAMPE Japan 東レ・鈴木あかりさんから学ぶ5つの適性

「うちの製品は専門的すぎて、イベントコンパニオンに任せるのは不安だ」「どうせ素人には説明できないだろう」。技術系の専門的な展示会(専門展)への出展をご検討中の担当者様から、このようなお悩みを伺うことは少なくありません。しかし、その考えが、実は大きな機会損失に繋がっているとしたらどうでしょうか?

本記事では、その疑問に明確な答えを提示します。舞台は、2025年12月に開催された先端材料技術の専門展「SAMPE Japan 2025」。世界的な素材メーカーである東レ株式会社様のブースです。同社が起用したイベントコンパニオン、鈴木あかりさんの働きを密着取材して見えてきたのは、専門展だからこそ輝く、コンパニオンの新たな可能性でした。この記事を読めば、専門展で失敗しないための具体的な「選び方」が分かり、記事の最後にはすぐ使える「チェックリスト」も手に入ります。


専門展におけるイベントコンパニオンの「新たな定義」

「華やかさ」から「翻訳者」へ。求められる役割の変化

一般的な展示会において、イベントコンパニオンは「集客」や「華やかさ」を主な役割として期待されることが多いでしょう。しかし、来場者の多くが明確な目的意識と専門知識を持つ「専門展」においては、その役割は大きく変化します。ここで求められるのは、単なる「呼び込み」ではありません。企業の持つ高度な技術や複雑な製品情報を、来場者の知識レベルや興味に合わせて「翻訳」し、分かりやすく伝える能力です。彼女たちは、技術者と来場者の間に立ち、円滑なコミュニケーションを創出する「知的な触媒」としての役割を担うのです。

なぜ専門展にこそ「プロの翻訳者」が必要なのか

専門展のブースでは、しばしば「技術者同士が専門用語で盛り上がってしまい、他の来場者が入り込めない」あるいは「説明員が手一杯で、興味を持ってくれた来場者を待たせてしまう」といった光景が見られます。これは非常にもったいない状況です。プロのイベントコンパニオンは、このような状況を防ぐバッファーとして機能します。彼女たちが一次対応を行うことで、来場者は心理的なハードルを感じることなく、気軽に質問を投げかけることができます。そして、コンパニオンが来場者のニーズを的確に引き出し、最適な説明員へと繋ぐことで、ブース全体のコミュニケーションは効率化され、商談化の確率も飛躍的に高まるのです。

【事例】東レブース・鈴木あかりさんから学ぶ「5つの適性」

SAMPE Japan 2025の東レ株式会社様ブースで活躍したイベントコンパニオン・鈴木あかりさん。彼女の働きは、まさに専門展における理想の姿でした。彼女のどのような能力が、ブースの成功に貢献したのでしょうか。ここでは、彼女の動きから見えてきた「5つの適性」を構造的に解説します。

適性1:知的探究心(Curiosity)

彼女がまず見せたのは、製品に対する旺盛な「知的探究心」でした。事前研修の段階で、彼女は渡された資料を読むだけでなく、「この炭素繊維複合材料は、なぜ航空機に使われるのですか?」「従来の金属材料と比較した際の、具体的なメリットとデメリットを教えてください」と、次々に質問を投げかけていました。彼女は製品を「暗記」するのではなく、「理解」しようとしていたのです。この探究心があるからこそ、当日、来場者からの想定外の質問にも、表面的な言葉ではなく、本質を捉えた応答が可能になっていました。

適性2:論理的翻訳力(Translation)

ブース前を通りかかった、明らかに専門家ではない学生らしきグループに対し、彼女はこう話しかけました。「未来のクルマが、鉄より強くて4分の1の軽さの素材でできたら、ワクワクしませんか?」。彼女は「CFRPの比強度と比剛性」といった専門用語を一切使わず、誰もがイメージできる言葉に「翻訳」して伝えたのです。この能力は、専門家ではないが将来の顧客となりうる層や、異分野の技術者といった、新たなビジネスチャンスに繋がる来場者の興味を惹きつける上で、絶大な効果を発揮していました。

適性3:質問喚起力(Questioning)

彼女は一方的に説明するのではなく、必ず対話の最後に「ちなみに、皆様はどのような分野で、材料の軽量化にご興味をお持ちですか?」といった「問い」を投げかけていました。この「質問喚起力」が、ブースの雰囲気を「説明を聞く場」から「対話する場」へと変えていました。来場者は受け身の姿勢から、自社の課題を語り始める能動的な姿勢へと変化し、それによってブース内には常に「質の高い質問」が飛び交う、活気ある空間が生まれていました。

適性4:的確なパス(Handoff)

来場者から「この材料の成形プロセスにおける、具体的な硬化時間を知りたい」という専門的な質問が出た際、彼女は知ったかぶりをしませんでした。「ありがとうございます。その点については、こちらの成形技術の専門担当からご説明させていただきます」と、即座に最適な技術者へと「的確なパス」を出したのです。重要なのは、ただ担当者に引き継ぐのではなく、「このお客様は、自動車部品への応用を検討されており、特にサイクルタイムを重視されています」という補足情報を、技術者に小声で伝えていた点です。この一言が、その後の商談の質を大きく左右することは言うまでもありません。

適性5:誠実な立ち居振る舞い(Integrity)

最後に、そして最も重要だと感じたのが、彼女の「誠実な立ち居振る舞い」です。たとえ来場者が学生や競合他社の調査員であっても、その態度を変えることなく、一人ひとりに対して敬意を持って接していました。この誠実な姿勢が、世界的なリーディングカンパニーである東レ株式会社様のブランドイメージと見事に合致し、ブース全体の信頼感を高めていました。技術や製品だけでなく、「人」に対する誠実さこそが、企業の品格を物語る。彼女の姿は、そのことを雄弁に示していました。

 

 

専門展でのコンパニオン起用|メリット・デメリットと注意点

メリット:社員の負荷軽減以上に大きい「機会創出」効果

専門展で質の高いイベントコンパニオンを起用する最大のメリットは、単なる「社員の負荷軽減」に留まりません。それは、これまでアプローチできていなかった層との「機会創出」です。技術者は、どうしても専門家との対話を優先しがちですが、コンパニオンがいることで、学生、異業種の開発者、購買担当者といった、多様なバックグラウンドを持つ来場者との接点が生まれます。これらの接点が、将来の共同開発や、全く新しい用途開発に繋がる可能性を秘めているのです。

デメリット:高まる「ミスマッチ」のリスクとその対策

一方で、デメリットは「ミスマッチ」のリスクが一般の展示会よりも格段に高まることです。知的探究心や論理的思考力に欠けるコンパニオンをアサインしてしまうと、彼女たちの存在そのものが「専門性のないブース」というネガティブな印象を与えかねません。この対策は、派遣会社に丸投げせず、選考プロセスに自社の担当者が関わることです。可能であれば、書類選考だけでなく、オンラインでの短時間の面談を設定し、コミュニケーション能力や学習意欲を直接確認することをお勧めします。

【初心者の誤解】専門展でのコンパニオン選び、3つの落とし穴

落とし穴1:「研修すれば誰でもできる」という誤解

「分厚いマニュアルを渡して、しっかり研修すれば大丈夫だろう」これは、専門展で最も陥りがちな誤解です。しかし、鈴木あかりさんの事例が示すように、求められるのは知識の「暗記」ではなく、本質を「理解」し「翻訳」する能力です。これは、一朝一夕の研修で身につくものではなく、本人が元々持っている知的探究心や論理的思考力といったポテンシャルに大きく依存します。研修はあくまで補助的なものと捉え、採用段階での「適性」の見極めが何よりも重要です。

落とし穴2:「見た目の華やかさ」を優先してしまう誤解

もちろん、ブースの顔として清潔感や明るい雰囲気は大切です。しかし、専門展の来場者は、見た目の華やかさよりも「信頼できる情報が得られるか」を重視しています。派手な衣装や過度な演出は、むしろ「中身のないブース」という印象を与え、敬遠される可能性すらあります。企業のブランドイメージに合った、知的で誠実な印象を与える服装や立ち居振る舞いができる人材を選ぶべきです。

落とし穴3:「派遣会社の実績」を確認しない誤解

イベントコンパニオン派遣会社と一括りに言っても、その得意分野は様々です。大規模なコンシューマー向けイベントが得意な会社もあれば、格式の高い式典が得意な会社もあります。専門展で成功するためには、「BtoBの技術系展示会」での派遣実績が豊富な会社を選ぶことが不可欠です。過去にどのような企業の、どのような展示会を担当したか、具体的な実績を確認しましょう。実績豊富な会社は、専門展で活躍できるコンパニオンの「適性」を熟知しており、ミスマッチの少ない提案が期待できます。

【チェックリスト】専門展で失敗しない!イベントコンパニオン選び5つのポイント

これまでの内容を元に、派遣会社への依頼時や、コンパニオン候補者との面談時に使えるチェックリストを作成しました。ぜひご活用ください。

チェック項目 確認するポイント 確認方法の例
□ 1. 知的探究心 未知の事柄や複雑な仕組みに対し、自ら興味を持って学ぼうとする姿勢があるか。 「最近、何か新しく勉強したことはありますか?」「当社の製品について、現時点でどんな疑問がありますか?」と質問する。
□ 2. 論理的翻訳力 専門的な情報を、相手のレベルに合わせて分かりやすく説明できるか。 自社の製品概要を簡単に説明した後、「これを、全く知識のない高校生に説明するとしたら、どう伝えますか?」と問いかける。
□ 3. 質問喚起力 相手の話を引き出し、対話を深めるための質問ができるか。 面談中、一方的に話すだけでなく、こちらに逆質問をしてくるか。会話のキャッチボールがスムーズかを見る。
□ 4. 役割認識力 自分に求められる役割を理解し、チームの一員として的確に振る舞えるか。 「もし採用されたら、この展示会でどんな貢献ができると思いますか?」「専門的な質問をされたら、どう対応しますか?」と質問する。
□ 5. 誠実さ・品格 企業のブランドイメージに合致した、信頼感のある立ち居振る舞いができるか。 言葉遣いや表情、姿勢など、基本的なビジネスマナー。短い面談時間でも、相手への敬意が感じられるか。

まとめ

本記事では、SAMPE Japan 2025の東レ株式会社様ブースで活躍したイベントコンパニオン・鈴木あかりさんの事例をもとに、専門展で失敗しないためのコンパニオンの選び方を解説しました。専門展においてコンパニオンは、単なる「華」や「集客装置」ではありません。彼女たちは、高度な技術と多様な来場者とを繋ぐ「知的な触媒」であり、新たなビジネスチャンスを創出する「戦略的パートナー」なのです。

  • 役割を「翻訳者」と再定義し、安易な基準で選ばない
  • 「5つの適性(探究心、翻訳力、質問力、役割認識、誠実さ)」を見極める
  • 専門展の実績が豊富な派遣会社をパートナーとして選ぶ

「うちの製品は専門的だから…」と諦める前に、ぜひ一度、この記事のチェックリストを手に、戦略的パートナーとしてのイベントコンパニオン活用を検討してみてはいかがでしょうか。きっと、あなたの会社の展示会は、これまでとは全く違う成果を生み出すはずです。


この記事は年間300件の展示会へのイベントコンパニオン派遣の実績がある、株式会社ファクトが監修しています。

専門展の成果を最大化する「知的な触媒」を

株式会社ファクトでは、BtoBの技術系展示会をはじめ、専門展での豊富な実績を持つイベントコンパニオンを派遣しています。本記事のチェックリストに基づいた、貴社に最適な人材のご提案も可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。